2026年10月2日、天竜浜名湖鉄道の遠江一宮駅から一宮川橋梁へ向かって歩いている途中で、一つのRC橋が気になりました。

天竜浜名湖鉄道 遠江一宮駅ー敷地駅間 磐田用水を渡るRC橋
場所は静岡県袋井市川会。
橋長は約15m。
中央に橋脚を持つ2連のRC橋です。
橋そのものだけを見れば、それほど珍しい構造ではありません。
しかし、この橋の下を通っているものが少し変わっています。
一方は道路。
もう一方は磐田用水です。
つまり、一つの鉄道橋が、
道路と用水路を同時にまたいでいる
構造になっています。
さらに見ていくと、磐田用水側にはもう一つ気になる点がありました。
橋の下だけ、明らかに水路の幅が狭くなっているのです。
スポットの概要
磐田用水橋梁(仮称)
このRC橋は、天浜線の遠江一宮駅と一宮川橋梁の間にあります。
周囲は田畑が広がる地域です。
橋は2連構造で、中央に一本の橋脚があります。

天竜浜名湖鉄道 遠江一宮駅ー敷地駅間 磐田用水を渡るRC橋
それぞれの桁の下を、
- 1車線の道路
- 磐田用水
が通っています。
道路側だけを見ると、ごく普通の小さな架道橋です。
ところが反対側へ回ると、すぐ隣を用水路が通っていることが分かります。
一つの橋で道路と用水路を越える
この橋で面白いのは、2つの桁が別々の役割を持っていることです。
片側は人や車が通る道路。
もう片側は水を運ぶ磐田用水。
鉄道側から見れば、どちらも「下を越えるもの」ですが、地上から見ると性格はまったく違います。
道路は現在も生活道路として使われています。
一方、磐田用水は地域の農業を支える水路です。
その二つを一つのRC橋でまとめて越えている。
大きな鉄橋のような迫力はありませんが、地域の交通と農業用水が一か所に集まった、少し珍しい場所です。
橋の下だけ狭くなる磐田用水
特に気になったのが、磐田用水側です。
水路を見ていると、橋の手前と先では比較的幅があります。
ところが、天浜線の橋をくぐる区間だけ、明らかに横幅が狭くなっています。

天竜浜名湖鉄道 遠江一宮駅ー敷地駅間 磐田用水を渡るRC橋
見た印象では、中央の橋脚や既存の橋の位置が制約となり、水路を十分に広げることができなかったように見えます。
もちろん、これは現地を見たうえでの推測です。
実際にどのような設計計算が行われ、必要な流量をどう確保しているのかまでは分かりません。
ただ、水路としては明らかに断面が絞られているため、
- 深さを確保している
- 流速を上げている
- 上下流側の形状を工夫している
など、何らかの方法で必要な通水能力を確保している可能性があります。
磐田用水の近代化と、この橋
磐田用水は、その後何度か近代化改修が行われています。
特に1970年代には、船明ダムの完成に合わせた大規模な改修が行われました。
天浜線沿線でも、その影響を感じられる場所があります。
以前訪れた豊岡駅近くの磐田用水橋梁では、1973年に鉄道橋そのものが架け替えられています。

天竜浜名湖鉄道 磐田用水橋梁
一方、この川会のRC橋では、少なくとも見た範囲では大きな架け替えが行われたようには見えません。
そのため、
既存の鉄道橋をそのまま残し、用水路側の形状を工夫して対応した
可能性も考えられます。
もちろん、現時点では工事記録までは確認できていません。
豊岡では鉄道橋を架け替えた。
川会では橋を残したように見える。
同じ磐田用水でも、場所によって対応方法が違ったのだとすれば、かなり興味深いところです。
なぜ橋を架け替えなかったのか
もし本当に磐田用水の近代化時に、この橋を残したまま改修したのだとすれば、気になるのはその理由です。
考えられるのは、
- 必要な通水量を確保できた
- 橋の構造上、架け替えの必要がなかった
- 道路と用水を同時にまたぐため工事が複雑だった
- 費用や施工条件から既存橋利用が合理的だった
といった点です。
ただし、どれも現時点では推測です。
工事図面や用水改修記録が見つかれば、もう少し詳しいことが分かるかもしれません。
この橋は、見た目は地味ですが、
「なぜ今この形なのか」
を考えると、かなり面白い構造物です。
すぐ近くには一宮川橋梁
このRC橋のすぐ近くには、一宮川橋梁があります。

天竜浜名湖鉄道 一宮川橋梁
一宮川橋梁は鋼橋とRCを組み合わせた構造で、鐡道省時代の銘板も残っています。
そのため、この一帯を歩くと、
- 小さなRC橋
- 磐田用水
- 道路
- 一宮川橋梁
を短い距離の中で見ることができます。
橋梁の形式も違い、越えている対象も違います。
遠江一宮駅から歩きながら、構造を見比べるのも面白い区間です。
2026年10月追記

天竜浜名湖鉄道 磐田用水脇のコスモス
2026年11月3日追記。
インスタで、この場所のコスモスと天浜線の車両が写った写真を見つけたので、私も行ってきました。
用水のフェンス脇にコスモスの花が咲いています。時間の都合上、今回は列車と一緒に写真を撮ることはできませんでしたが、コスモスと橋梁を一緒に写すことができて満足。
天浜線沿線として見た魅力
天浜線沿線には、大きく目立つ橋梁だけでなく、このような小さなRC橋も数多くあります。
大きな鉄橋なら、遠くから見ても「橋だ」と分かります。
一方、小さなRC橋は、意識しなければそのまま通り過ぎてしまいます。
しかし近づいてみると、
道路を通している。
用水を通している。
橋脚の位置に合わせて水路が曲がっている。
そうした地域との関係が見えてきます。
この橋も、単独では目立つ構造物ではありません。
それでも、天浜線と地域の農業用水がどう共存しているのかを見るには、面白い場所でした。
撮影スポットとしての見どころ
この橋は列車撮影よりも、構造記録向きです。
道路+用水+橋全体
最も特徴が分かりやすい構図です。
2つの桁が別々のものを越えていることを、一枚で見せられると理想です。
磐田用水の狭窄部分
今回の記事の重要ポイントです。
上流側、橋の直下、下流側をそれぞれ撮っておくと、水路の幅がどう変化しているか分かります。
中央橋脚
なぜ用水が狭くなるのかを考えるうえで、中央橋脚の位置関係は重要です。
一宮川橋梁との比較
周辺記事と組み合わせるなら、二つの橋を別々に撮影し、構造の違いを見せるのも面白そうです。
歩いて感じたこと
最初に見たときは、ごく普通の小さなRC橋でした。
でも、少し横へ回ると、その下には磐田用水が通っています。
さらに水路を見ていると、橋の下だけ不自然なくらい狭くなっている。
そこから急に、この橋が気になる存在になりました。
豊岡駅近くでは、磐田用水の改修に合わせて鉄道橋そのものが架け替えられています。
一方、ここでは古い橋を残したまま対応したように見えます。
同じ用水路でも、場所ごとに条件が違う。
鉄道橋を見ているつもりが、いつの間にか用水路の歴史まで気になってきます。
こういう小さな疑問が見つかるのも、沿線を歩いて観察する面白さだと思います。
散策時の注意点
周囲には田畑や生活道路があります。
撮影時は、
- 農地へ入らない
- 農作業の邪魔をしない
- 道路上で長時間立ち止まらない
- 水路へ降りない
- 橋梁や鉄道用地へ近づかない
といった点に注意します。
特に磐田用水は水量が多い場合もあります。
水路の形を確認するために無理に近づかず、安全な場所から観察します。
まとめ
袋井市川会、遠江一宮駅近くにある小さな2連RC橋。
橋長は約15m。
片側の桁の下を道路が通り、もう片側には磐田用水が流れています。
一番気になったのは、用水路が橋の下だけ明らかに狭くなっていることでした。

天竜浜名湖鉄道 遠江一宮駅ー敷地駅間 磐田用水を渡るRC橋
既存の橋脚が制約となり、用水路側で形を調整した可能性がありますが、詳しい経緯はまだ分かりません。
磐田用水は1970年代にも大きな近代化改修を受けています。
豊岡駅近くでは、その際に天浜線の橋梁が架け替えられました。
それに対して、この場所では既存橋を残したまま対応したように見えます。
大きく目立つ橋ではありません。
しかし、鉄道と道路、そして農業用水が一か所で交差するこのRC橋は、地域インフラ同士の関係を考えるうえで、とても面白い場所でした。




