2026年10月9日、静岡県周智郡森町城下にある**茶風詩(ちゃふうし)**を訪れました。
茶風詩が入っているのは、「日本烏龍紅茶会社発祥の地 フジヤ」。

フジヤ・茶風詩 外観
ここは、森町出身の茶商・藤江勝太郎の生家を改修した施設です。
藤江勝太郎は明治時代に静岡県内で初めて烏龍茶を製造し、日本へその製法を広め、その後は台湾でも烏龍茶・紅茶産業の発展に関わった人物です。
その人物の生家で、烏龍茶を飲む。
これだけでも、普通の古民家カフェとは少し意味が違います。
実際に訪れてみると、歴史ある建物をしっかり残しながら、かなり丁寧にリノベーションされた気持ちのよい空間になっていました。
そして、何より印象に残ったのが烏龍茶でした。
スポットの概要
フジヤ・茶風詩
茶風詩は、静岡県周智郡森町城下369-2にあります。
最寄りの天浜線駅は戸綿駅です。
茶風詩が入る「フジヤ」は、藤江勝太郎の生家である旧藤江勝太郎家住宅を活用した施設です。
公式案内によると、建物は江戸時代後期に建てられた茶商の町家。

フジヤ・茶風詩 外観
長く住宅として使われた後、森町へ寄贈され、耐震補強や屋根・床などの修理を行ったうえで、新しい交流拠点として再生されました。
フジヤには、
- 茶風詩
- 藤江勝太郎の展示スペース
- イベントスペース
などがあります。
2026年4月29日にオープンしたばかりの新しい施設です。
茶風詩(日本烏龍紅茶発祥の地 フジヤ内)
建物そのものを見に来ても面白い
茶風詩でまず印象に残ったのが、建物です。
旧藤江勝太郎家住宅は、江戸時代後期から明治期の町家造り。
公式説明では、茶商として使われていた当時の店構えを残す建物とされています。
外から見ると、格子や木部が残る古い町家。
中へ入ると、梁や柱など昔の建物の雰囲気を残しつつ、床や照明、設備はきれいに整備されています。

フジヤ・茶風詩 建物内
リノベーションにはかなり手が入っています。
それでも「新しく造った和風の建物」には見えません。
古い建物が持っている質感を残したうえで、現代のカフェとして使いやすくした印象です。
個人的には、この建物を見るだけでも十分面白い場所でした。
藤江勝太郎と森町の烏龍茶
ここへ来る前に森町立歴史民俗資料館を訪れ、藤江勝太郎について知りました。

森町 森町立歴史民俗資料館
藤江勝太郎は1865年に森町城下で生まれた茶商です。
静岡県内で初めて烏龍茶を製造し、日本にその製法を広めた後、台湾総督府の技師として台湾の烏龍茶・紅茶製造の近代化にも関わりました。
森町は昔から茶の生産だけでなく、茶商が集まる地域でもありました。
江戸末期以降は横浜で茶の貿易に関わる森町出身者も多く、烏龍茶や紅茶にも早くから取り組んでいます。
茶風詩で烏龍茶を飲むことは、単に「お茶がおいしいカフェ」へ行くこととは少し違います。
ここで烏龍茶が提供されていること自体が、この土地の歴史につながっています。
烏龍茶は香りがまったく違った
今回は、烏龍茶をホットとコールドの両方で飲みました。
これがかなり印象に残りました。

フジヤ・茶風詩 食事

フジヤ・茶風詩 デザートと烏龍茶
普段飲むペットボトルなどの烏龍茶とは、まず香りが違います。
口に入れる前から香りがあり、飲んだあとにも香りが残ります。
冷たい烏龍茶はすっきりしていますが、単純に冷たいお茶という感じではありません。
ホットはさらに香りが分かりやすく、温度によって印象が変わるのも面白いところでした。
個人的には、
「烏龍茶って、こんなに香りを楽しむ飲み物だったのか」
と感じるくらい違いがありました。
茶風詩を訪れるなら、食事だけでなく、お茶そのものを味わってみてほしいと思います。
食事もしっかり楽しめる
茶風詩では、お茶だけでなく食事も提供されています。
公式にも、烏龍茶や緑茶のほか、お茶に合う食事を楽しめるカフェとして紹介されています。
今回いただいた料理も、きちんと食事として満足できる内容でした。
古民家カフェというと、
「雰囲気は良いけれど、料理は軽め」
というところもあります。
茶風詩は、建物の雰囲気だけを楽しむ場所ではなく、食事目的でも利用できる印象でした。
そして食事のあとにお茶を飲むと、この店が「お茶を中心にした場所」として作られていることが分かります。
店内の空間が心地よい
建物の雰囲気とリノベーションのバランスも良く感じました。
古民家をそのまま残しただけではなく、店舗として快適に過ごせるよう手を加えています。

フジヤ・茶風詩 店内
一方で、梁や柱など昔の建物を感じられる部分もしっかり残っています。
照明も明るすぎず、古い木の色とよく合っています。
写真を撮る場所としても面白い空間です。
外観。
格子。
梁。
テーブル。
茶器。
料理。
一つ一つを切り取っていけば、かなり多くのカットを撮ることができます。

フジヤ・茶風詩 店内
城下地区の中にあるフジヤ
フジヤがあるのは森町の城下地区です。
周辺は大きく観光地化されている場所ではありません。
古い建物や、昔の学校跡と思われる場所などが残り、普通の集落の中に歴史を感じるものが点在しています。
公式案内では、城下は江戸時代から秋葉街道の宿場として栄え、茶産業とともに町家文化が育った地域とされています。現在も町家や石垣、水路などが残り、町並み自体が森町の指定文化財となっています。
フジヤだけを見て帰るのではなく、少し周辺を歩いてみると、この建物が残った背景も感じやすくなります。
天浜線沿線として見た魅力
最寄りの天浜線駅は戸綿駅です。
駅から少し離れた城下地区にありますが、天浜線沿線を巡りながら森町の歴史を知る場所として、とても面白い立ち寄り先です。
特におすすめしたいのが、
森町立歴史民俗資料館 → フジヤ・茶風詩
という流れです。
歴史民俗資料館では、藤江勝太郎がどんな人物だったのかを知ることができます。
そして、そのあと実際の生家を訪れ、そこで烏龍茶を飲む。
単独でカフェを訪れるよりも、場所の意味がかなり深くなります。
遠州森駅周辺の蓮華寺や資料館から、さらに森町の歴史を追って城下まで足を伸ばす。
そんな沿線巡りも面白いと思います。
撮影スポットとしての見どころ
茶風詩は、店舗撮影の練習場所として見ても題材が多い場所です。
外観
格子のある町家なので、真正面から整えて撮っても絵になります。
店内
梁や柱を残しながらリノベーションしているため、広角で空間全体を撮ると建物の魅力が伝わります。
お茶
茶器や湯気、冷たいグラスなど、ホットとコールドで違った写真を撮れます。
料理
料理だけでなく、背景に木造の店内を少し残すと「茶風詩で食べている」ことが伝わります。
建物の細部
格子、梁、柱、建具など、古民家ならではのディテールも記録しておきたいところです。

フジヤ・茶風詩 店内
歩いて感じたこと
今回訪れて感じたのは、この場所にはかなり良い素材が揃っているということでした。
藤江勝太郎という人物。
森町の茶産業。
江戸時代後期の町家。
丁寧なリノベーション。
香りの良い烏龍茶。
料理。
一つ一つを見ると、かなり魅力があります。
特に建物とお茶の組み合わせは、ほかの古民家カフェとは明確に違います。
単に「古い家をカフェにしました」ではなく、
この家で生まれた人物と、そこで扱っていた茶の歴史が、今のカフェにつながっている。
そこが茶風詩の一番面白いところだと思います。
一方で、2026年4月に始まったばかりの施設でもあります。
公式には、城下の歴史・文化を守りながら、地域の人や来訪者が交流し、新しい価値を生み出す拠点を目指すとされています。
実際に今後どのような場所へ育っていくのか。
カフェとしてだけでなく、地域の拠点として今後も見てみたい場所です。
散策時の注意点
茶風詩は営業中の店舗です。
店内撮影をする場合は、ほかのお客さんやスタッフの方に配慮します。
- 他のお客さんを無断で写さない
- 店内を広く撮る場合は確認する
- 展示物や古い建具にむやみに触れない
- 私有部分へ入らない
- 営業時間や定休日は訪問前に確認する
といった点に注意します。
フジヤの公式案内では施設は9:00〜17:00、茶風詩は10:00〜16:00、月曜・火曜定休となっています。ただし、茶風詩のみ休業する場合もあるため、訪問前に最新情報を確認するのが安心です。
まとめ
森町城下にある茶風詩。
藤江勝太郎の生家を改修した「日本烏龍紅茶会社発祥の地 フジヤ」の中で営業するカフェです。
建物は江戸時代後期の町家。
そこへ現代的なリノベーションを加え、気持ちよく過ごせる空間になっています。
そして、この場所で飲む烏龍茶が印象的でした。
ホットもコールドも香りが豊かで、普段飲んでいる烏龍茶とはかなり違います。
料理も楽しめ、カフェとしても十分魅力があります。
でも、この場所の面白さはそれだけではありません。
藤江勝太郎。
森町の茶商。
日本の烏龍茶。
台湾とのつながり。
そして、その歴史が残る生家。
それらを実際の場所で、お茶を飲みながら感じることができます。
森町立歴史民俗資料館で藤江勝太郎を知り、そのあとここを訪れる。
この順番で歩くと、森町の歴史が一段深く見えてくると思います。




