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2026年10月 森町立歴史民俗資料館|明治18年の旧郡役所で知る森町の歴史と産業

09.戸綿駅
森町 森町立歴史民俗資料館
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2026年10月7日、森町の「萩の寺」蓮華寺を訪れたあと、すぐ隣にある森町立歴史民俗資料館へ立ち寄りました。

最寄り駅は天竜浜名湖鉄道の遠州森駅です。

この資料館でまず目を引くのは、展示物よりも建物そのもの。

森町 森町立歴史民俗資料館

現在の資料館は、明治18年に建てられた旧周智郡役所の庁舎を移築・復元した建物です。

森町の公式資料によると、昭和49年に森町と地元有志によって移築され、昭和54年から歴史民俗資料館として使われています。

中に入る前から、すでに「見るものがある」資料館です。

今回は1階を中心に撮影し、2階は事情により写真を撮っていません。

それでも、館内を見て学芸員の方のお話を聞いているうちに、

なぜ森町が古くから栄えた町だったのか

その一端が少し見えてきたように感じました。


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スポットの概要

森町立歴史民俗資料館

森町立歴史民俗資料館は、静岡県周智郡森町森2144にあります。

前回紹介した蓮華寺とほぼ隣接しており、二つを続けて見学しやすい場所です。

森町 萩の寺 蓮華寺

建物は、明治18年建築の旧周智郡役所。

現在地へ移築されたもので、当時の姿を残すよう復元されています。

公式案内では、館内に農耕具、生活用品、古文書などが展示され、森町の歴史や生活文化の変化を紹介しています。

入館は無料です。

建物そのものが見どころ

個人的に、この資料館で一番最初に惹かれたのは建物でした。

木造の2階建て。

正面から見ると、いかにも明治時代の公的施設らしい整った姿をしています。

森町 森町立歴史民俗資料館

現在の場所に最初から建っていたわけではありませんが、旧郡役所の建物を移築して残しているというだけでも興味深いものがあります。

森町の資料では、現存する郡役所建築そのものが全国的に少なく、この建物のような和風総2階建てのものは珍しいとされています。

資料館というと、どうしても中の展示品だけに目が向きます。

しかしここでは、

建物も展示品の一つ

くらいの気持ちで見た方が楽しめると思います。

1階は昔の農具や生活用品

1階で目立つのは、昔の農機具や生活用品です。

森町 森町立歴史民俗資料館

農業に使われた道具などが数多く並べられています。

こうした展示は、各地の歴史民俗資料館でも比較的よく見かけます。

そのため、道具そのものだけを見れば、ものすごく珍しい展示という印象ではありませんでした。

また、森町の住民から寄贈されたものが多いためか、展示全体には少し雑然としたところもあります。

ただ、それも地域資料館らしさなのかもしれません。

美術館のように一つ一つを整然と見せるというより、

町の人たちが残してきた生活の道具を集めた場所

という感じです。

2階で見えてくる「森町が生んだ人たち」

個人的には、2階の展示の方が興味深く感じました。

いくつかのテーマに分かれていて、その中でも印象に残ったのが、森町から生まれた人物に関する展示です。

今回は2階の写真を撮影していないため、文章だけで紹介します。

鈴木藤三郎と氷砂糖

その一人が**鈴木藤三郎(1855〜1913年)**です。

森町出身の実業家・発明家で、森町で氷砂糖の製法を発明。

その後、東京で日本初の精製糖事業を興し、台湾製糖株式会社の初代社長も務めました。

森町では「日本製糖業の父」「発明王」として紹介されています。

砂糖産業というと森町のイメージとはすぐには結びつきません。

しかし、全国規模、さらには台湾まで活動を広げた実業家が、この町から生まれていたことを知ると、森町の見え方が少し変わります。

藤江勝太郎とお茶

もう一人、興味深かったのが**藤江勝太郎(1865〜1943年)**です。

森町出身の茶商で、静岡県内で烏龍茶を製造し、日本にその製法を広めました。

その後は台湾総督府の技師として台湾の烏龍茶・紅茶産業の近代化にも関わり、帰国後には森町の町政にも携わっています。

森町がお茶の町であることは知っていましたが、その歴史をたどると、国内だけではなく台湾までつながっていました。

戦時中の資料と茶商の展示

2階にはそのほか、戦時中とみられる資料や、森町の茶商に関する展示もありました。

こうした展示を一つずつ見ていくと、森町が単に農村として発展した町ではなかったことが見えてきます。

森町は古くから信州街道の中継地であり、北遠地域の茶や商業の集まる場所でもありました。

交通と商業の結節点だった町から、鈴木藤三郎や藤江勝太郎のような人物が生まれた。

資料館を見ていると、個々の展示が少しずつつながってきます。

なぜ森町は栄えたのか

今回、学芸員の方からいろいろなお話を聞けたことで、特に印象に残ったのがこの点でした。

森町の町中を歩いていると、古い寺院や商家、少し立派な建物などが残っています。

なぜこの山あいの町に、これだけ歴史的な蓄積があるのだろう。

以前から少し気になっていました。

資料館を見ると、その背景に、

  • 街道
  • 茶
  • 商業
  • 農業
  • 地域から生まれた実業家

といったものがあったことが見えてきます。

資料館の展示一つ一つを見るだけでなく、そのあと改めて森町の町を歩くと、景色の見え方も変わりそうです。

藤江勝太郎の生家は現在の「フジヤ」へ

藤江勝太郎については、資料館の外にもその歴史をたどれる場所があります。

森町 藤江勝太郎(ふじえかつたろう)生家

藤江勝太郎の生家は改修され、2026年4月29日に**「日本烏龍紅茶会社発祥の地 フジヤ」**としてオープンしました。

建物内には藤江勝太郎を紹介する展示のほか、カフェやイベントスペースが設けられています。

その中にある古民家カフェレストランが茶風詩です。

資料館で藤江勝太郎について知ったあと、実際の生家を活用した場所へ行く。

これはかなり面白いつながりです。

次回は、この茶風詩を紹介します。

蓮華寺と一緒に訪れたい

森町立歴史民俗資料館は、前回紹介した萩の寺・蓮華寺のすぐ隣です。

せっかくここまで来たなら、どちらか一方だけではなく、両方見ていくのがおすすめです。

蓮華寺では、森町の古い寺院と萩。

歴史民俗資料館では、明治以降の地域の暮らしや産業。

かなり性格の違う二つの場所ですが、続けて見ることで森町の歴史を広い時間軸で感じられます。

天浜線沿線として見た魅力

最寄り駅は遠州森駅。

天竜浜名湖鉄道 遠州森駅

駅から蓮華寺、そして資料館まで歩いて訪れることができます。

今回のように、

遠州森駅
↓
森町の町並み
↓
蓮華寺
↓
森町立歴史民俗資料館

と歩けば、列車を降りてから町の歴史までつながる散策になります。

そして資料館で知った人物や産業を手掛かりに、さらに別の場所へいくこともできます。

例えば藤江勝太郎を知れば、その生家だったフジヤへ。

森町の茶の歴史を知れば、町中の茶店や茶畑へ。

資料館そのものをゴールにするよりも、

「森町を歩くための入口」

として使うと面白い施設だと思いました。

撮影スポットとしての見どころ

この資料館では、まず外観を撮っておきたいところです。

建物正面

森町 森町立歴史民俗資料館

旧郡役所の形が最も分かりやすく、資料館を代表する一枚になります。

建物と萩

蓮華寺と同じく周囲には萩があります。

森町 萩の寺 蓮華寺

花を前景に入れると、建物だけを記録する写真とは少し違った雰囲気になります。

1階展示室

昔の農具や生活用品を、建物内部の雰囲気も残しながら撮ると、資料館らしさが出ます。

森町 森町立歴史民俗資料館 1F

今回は2階を撮影できなかったため、次に訪れる機会があれば人物展示や茶商関係も記録しておきたいところです。

歩いて感じたこと

正直に言えば、最初は蓮華寺の隣にある小さな郷土資料館、くらいの感覚で入りました。

ところが、まず建物がいい。

そして展示を見ていくと、森町から思った以上に興味深い人物が出ています。

氷砂糖から近代製糖業へ進んだ鈴木藤三郎。

日本と台湾のお茶の発展に関わった藤江勝太郎。

それまで個別に見えていた森町の寺、茶、古い町並みが、少しつながった感じがしました。

訪れたときは他に見学者がいなかったこともあり、学芸員の方から丁寧に話を聞くことができました。

展示品そのものだけではなく、そうした説明を聞けたことで、より面白く感じたのだと思います。

地元ではない人ほど、

「森町って、こういう町だったのか」

という発見がある資料館かもしれません。

散策時の注意点

資料館は公共の文化施設です。

展示物には触れず、館内撮影については現地の案内や職員の方の指示に従います。

また、開館日や時間は変更される可能性があります。

訪問前には森町公式サイトで最新情報を確認するのがおすすめです。

建物そのものも古い歴史を持つものなので、見学時は大切に利用したいところです。

まとめ

森町立歴史民俗資料館。

規模の大きな博物館ではありません。

展示も、地域から寄贈された資料を中心とした、いかにも郷土資料館らしいものです。

しかし、ここには二つの大きな魅力があります。

一つは、明治18年建築の旧周智郡役所そのもの。

もう一つは、森町がどのように発展し、どんな人物を生み出してきたのかを知ることができることです。

農業。

茶。

商業。

鈴木藤三郎。

藤江勝太郎。

一つずつ見ていくと、今の森町につながる歴史が少しずつ見えてきます。

遠州森駅から町を歩くなら、蓮華寺とともに立ち寄っておきたい場所でした。

そして次は、資料館で知った藤江勝太郎につながる場所へ。

旧藤江勝太郎家住宅を活用した「フジヤ」と、その中にある古民家カフェレストラン「茶風詩」を訪ねます。

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